谷保の城山(三田氏館)   


想像図
  JR谷保駅の南、15分ほど歩くと「谷保の城山(じょうやま)」と呼ばれている地域がある。
  100メートル四方くらいの一帯で、東京都歴史環境保全地域に指定されている。

  (旧)甲州街道から200メートルほど南下したところにあり、城山という名ではあるが、山ではない。 本郭は私有地であり、瀟洒な個人の家がたっている。


   
東側の堀切り、東南隅の矢倉台
東側の帯曲輪?
 ● 谷保の城山

  入り口からすぐ南北に林の中の散策路がある。 城の東側の堀切りである。 右手が城域であり、最南端にはひときわ高い土塁跡(矢倉台?)がある。
  散策路の左手(東側)に本郭よりは少し低いが、それなりの高さのある南北に小山がある。 帯郭のように見受けられたが、古書にはその記述がない。 私の思い過ごしか。



   
南側の切岸
西北端の堀跡
 ● 谷保の城山

  城の南側は、崖線であり、田畑が連なる。
  南側は高い切岸になっている。 この方面だけは、現在でも防御線がしっかりしている。
  西側と北側は、住宅地と同じ高さであるが、わずかに西北端に堀の跡が認められる。



   
虎口、外側より
虎口、内側より
 ● 虎口

  西側に虎口と思われるところがあり、人の背丈くらいの土塁の一箇所が切れている。 現代人が切り取ったのかと思ったが、古図にも描かれており、当初からの姿である可能性もある。
  虎口を入ったところには、井戸の跡があり、水はないが、数メートルの深さがある。 もっとも、大手虎口のすぐ横に井戸があるのは不自然であり、虎口か井戸かのどちらかは後世の造りであろうと想像する。



   
公園のせせらぎ
古民家
 ● 城山公園

  城の南側に「城山公園」と名づけられた公園がある。 「城山」というが、崖の下に位置する公園である。
  湧水を利用した小川と池、東屋、そして近くから移築した江戸時代の民家があり、絶好の休憩地になっている。



 谷保の城山メモ

   13〜14世紀の館跡らしいが、詳細不明
   城主名として、平氏の流れをくむ三田県主貞盛の名と、菅原道真の子孫の津戸三郎為守の名があげられている
  2006年12月6日