BathとFrome
(GoogleMapを利用しました)
2013.3 Bathにて
● バース(Bath)
バースは、イングランド南西部の内陸の小都市です。
古代、この地で温泉が発見され、紀元2世紀にはすでにローマ軍の駐屯施設として整備されていました。
ローマ軍兵士たちは、温泉にコインを投げ入れました。 現代になって、1万枚を超えるローマコインが発見されました。
古いのは紀元前の共和国時代のものから、最新のものはマクシムス帝(在位383〜388)のものまでです。
ローマ軍がイングランドを撤退したのは407年のことですから、その20年くらいまでこの施設が機能していたことがわかります。
都市名のBathは、お風呂の英語名の語源になったという説がありますが、どうもそれは逆で、この土地を”お風呂”と呼んだのが事実だそうです。
The British Museum, "THE FROME HOARD",
Moorhead,Booth & Bland より
● フローム(Frome)
2010年の4月、バースの20キロほど南のフロームの牧場で、偶然数枚の4世紀のローマコインが発見されました。
発見者は、コインやメタルの収集家たちでした。 彼らは、その近くに何かないか、探し始めました。 そして数日後、牧場の一部が不自然に盛り上がっているところがあり、そこを掘ると、大きさ40cmくらいのカメがあり、その中にローマコインがぎっしり詰まっていました。
その数5万2千枚。 イギリス最大級の埋蔵数です。
最古のものは、ガリエヌス帝(在位253〜268)、最新のものは、ブリタニア皇帝を名乗ったカラウシウス帝(在位286〜293)。 わずか40年の間に発行されたものばかりでした。
このころ、金貨・銀貨は殆ど発行されていません。 埋蔵貨幣はアントニニアヌス貨、フォリス貨とよばれる青銅貨が中心です。 なかには、数百枚の当時の贋金も入っていたそうです。
ガリア皇帝ポスツゥムスのアントニニアヌス銀貨
260〜269年
21〜23mm 3.9g
ブリタニア皇帝アレクトゥスのアントニニアヌス銅貨
293〜296年
24.8mm 3.7g
ローマ皇帝マクセンティウスのフォリス銅貨
306〜312年
24.5mm 6.1g
Frome近郊 2013.3
2013.3.31