1文銭にこだわった中世の日本

 宋の慶暦重宝 2文銭

 1045年〜 発行

 7.6g 30.4mm
 2文銭を削って1文銭にしたもの

 3.6g 25.1mm
中世の日本、中国より銭を輸入して、日本の通貨として使っていました。 「渡来銭」です。
その頃、中国では1文銭(小平しょうへい銭)だけでなく、2文銭(折二せつじ銭)も同時に使われていました。 2文銭は、1文銭の2倍の重さがありました。
ところが、当時の日本人は2文銭を嫌い、1文銭だけを使いました。 理由についてはよく分かっていません。 日本人の好みとしか説明できません。
渡来銭の中に2文銭が混ざっていると、そのままでは使えません。 周りを削って小さくして1文銭にしました。
上の1文銭はそのような例です。 苦労して削ったようです、外形線がいびつです。 大変な労力だったでしょう。 2文銭を1文銭にするのに1文以上の労力を使ったかも知れず、何とも理解しがたいことです。


 2018.1.28