水戸虎銭

水戸虎銭
8.1g 33.1mm 厚さ1.7mm

幕末、日本には200余の藩がありましたが、どの藩も家計は苦しかったようです。
あの手この手で収入を増やそうとしましたが、藩独自の貨幣発行もそのひとつです。
水戸藩は、桜田門外の変、天狗党の乱など幕末の事件をいくつか起こしておきながら、藩論が統一されず、明治維新そのものには大きな役割を果せませんでした。
寛永通宝や天保通宝もたくさん作りましたが、この虎銭は慶応3年(1867)、その銭座の職人への支払い用に100文として発行し、その後市中で50文として使用させたものだそうです。

どちらが表か判断しにくいですが、”彫の深い方が表” との説に従い、虎図の方を表と考えます。
背の文字は「富国強兵」です。 下の文字は「國」字の内部の「或」です。
「国」が日本国を意味するのか、水戸藩を意味するのかは、想像するしかありませんが、日本国であってほしいところです。

2015.12.30