スリランカの釣り針形銀貨

    
スリランカの釣り針形銀貨 Larin(ラーリン)
4.7g 最大長さは25mm、まっすぐ伸ばすと9cmくらい


16世紀の初め、ペルシャ南部のラール(Lar)の王様は、新しい形の銀貨を発行しました。
細長ーい銀貨を二つ折りにして、ヘアピン形状に曲げたものです。
そのコインは、インド洋沿岸の諸国との貿易で盛んに使われました。
腰布に差して持ち運びするのに便利で、また半額のコインにするときに簡単に半分に折れるので、民衆から人気がありました。 

このコインは、ラール(Lar)から来たコインという意味で、「ラーリン(Larin)」と呼ばれました。
その後、ペルシャ帝国やムガール帝国では他のコインにおされて使われなくなりましたが、はるか遠くのモルディブやスリランカ(セイロン)では長い間使われていました。
スリランカでは、二つに折り曲げたものをさらに、釣り針の形にまで折り曲げました。
上のコインは、スリランカで、18世紀に発行されたラーリンです。

ラーリンは、ポルトガル、オランダ、イギリスなどのヨーロッパ人が自国の貨幣を使わせるまで使われていました。
モルディブ共和国の現在の通貨単位はルフィア(Rufiyah)ですが、その下位単位はラーリ(Laari)です。 ラーリンに由来しています。


  2015.2.5