紙幣の肖像のモデル
改正兌換券200円(鎌足200円)
昭和17年発行
肖像は藤原鎌足
大正兌換銀行券10円(左和気10円)
大正4年発行
肖像は和気清麻呂
改正兌換銀行券1円(漢数字1円)
明治22年発行
肖像は武内宿祢
キヨッソーネは、イタリア生まれの印刷技師。
明治政府に乞われて来日したのは明治8年のこと。 この時の給料は455円で、当時の大蔵卿(大蔵大臣)大隈重信の給料500円に匹敵する待遇でした。
彼は、日本の紙幣・切手・国債などの製造に大きく係わりました。 当時の紙幣のデザインの大半は彼の指導によるものです。
彼は日本歴史上の人物の肖像を紙幣のデザインに選びましたが、古代人の肖像画など残っていません。
その人物の業績をよく調べたうえで顔形を想像し、身近の人物をモデルにして、デザインを造り出しました。
藤原鎌足
松方正義
藤原鎌足のモデルは、明治初期の大蔵大臣を長く務めた松方正義です。
右の二つの画像を比べてみると一目瞭然です。 鋭い眼光など、どうみても、同一人物です。
この肖像が最初に紙幣に登場したのは明治24年ですが、その年に松方正義は首相兼大蔵大臣になっています。
和気清麻呂
木戸孝允
和気清麻呂のモデルは、維新三傑の一人の木戸孝允とされています。
眉、鼻、口元がそっくりですが、キヨッソーネは”不器用ながら実直な好人物”に描き直したように感じられます。
武内宿祢
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武内宿祢は、景行・成務・仲哀・応神・仁徳の5人の天皇に仕えた伝説上の人物。
キヨッソーネは、モデルとして、立派な髭の似合う日本人を探したそうです。
しかし、それが誰なのかはわかっていません。 大審院の判事、大蔵省の部長、神田明神の神官などの説があります。
キヨッソーネは明治24年に引退し、そのまま東京に住んでいましたが、明治31年に麹町の自宅で病死しました。 65歳でした。
2014.12.17