ナゴルノ・カラバフ共和国
ナゴルノ・カラバフ共和国の2ドラム紙幣
150×180mm
(昭文社「世界&日本地図帳」に作図)
「ナゴルノ・カラバフ共和国」、あまり聞きなれない国の名です。
世界地図帳にも載っていません。
旧ソ連のアゼルバイジャン共和国の中の「ナゴルノ・カラバフ自治州」が独立したものです。
この自治州にはアルメニア人が多く住み、アルメニアからの支援を受けてアゼルバイジャンからの独立を宣言し、「アルツァフ共和国」を名乗っています。
標高1000〜2000メートルの高地。 人口はおよそ15万人です。
この国の宗教は、アルメニア教。 キリスト教の最古の宗派のひとつ。 何しろ紀元4世紀に世界で初めてキリスト教を国教と定めたのはこのアルメニアの人たちです。
1991年に独立を宣言し、翌年よりアゼルバイジャンとの武力闘争が始まりました。 1994年にロシアやフランスの仲介で一応停戦しましたが、その後も紛争は続いています。
アゼルバイジャンは有数の産油国です。 西欧の諸国はどうしてもそちらの方に味方しがちです。 そのため、この国を承認しているのは、アルメニアだけです。 日本の世界地図でも国としては扱っていません。
この国は独自の紙幣を発行しています。 通貨の単位はアルメニアと同じドラム(Drahams)。 デザインはアルメニア教にちなむもの。 裏面は、キリストの洗礼の様子。
表裏の両面の上部に国名がアルメニア文字
ԼԵՌՆԱՅԻՆ ՂԱՐԱԲԱՂԻ ՀԱՆՐԱՊԵՏՈՒԹՅՈՒՆ
で書かれている。
しかし、普通の紙に単一色の印刷。 失礼ながら、日本の商品券の方がずっと立派。
ナゴルノ・カラバフ共和国の1ドラムアルミニウム貨
2004年発行
2013.8.3