半分に切って使ったローマコイン
アウグスツスのデュポンディウス黄銅貨 紀元10〜14年発行 6.43g 最大長17.4mm 厚さ2.8mm
古代ローマ帝国の初期、貨幣経済は盛んで、各種の金貨・銀貨・銅貨が発行されていました。
しかし、必ずしもすべての種類の貨幣が潤沢に供給されていたわけではありませんでした。 時には、特定の貨幣が不足気味になりました。
そのようなとき、高額の貨幣を半分に切り分け、半額の貨幣2枚として使うことがありました。
画像は"ROMAN COINS AND THEIR VALUES"を利用
上のコインは、デュポンディウス(2アス)黄銅貨を真っ二つに切り裂いて、1アスとして使ったものです。
切り口の状態から、この当時に意図的に切られたことがわかります。
本来は、表右側に初代皇帝アウグスツスの像、左側に彼の親友アグリッパの像が描かれていました。
まるでふたりの仲を裂くかのようにコインが真っ二つに切り裂かれています。
当時労働者1日の賃金は、およそ1デナリウス(16アス)でした。 1アスは、私たちの感覚では500円〜1000円くらいでしょうか。
2013.5.3