海から揚がった天下手祥符?

  
海から揚がった祥符通宝

海から揚がった銭の塊 全長12cm 568g

中世の日本、貨幣として使われていたのは、主に中国から輸入された銭です。
難破した船に積まれていた銭が、海中から引き揚げられることがあります。
右の画像は、海から引き揚げられた銭の塊です。 500グラム余の塊に、数十枚の銭が固まっています。
一部は錆びて固まり、正確な枚数は数えられません。 銭面が見えているのは最上部の一枚だけです。「祥符通宝」と読めます。
「祥符通宝」は、北宋で発行された銭で、日本にも大量に輸入されています。

問題はこの大きさです。 北宋銭なら、直径24.5ミリ前後あります。 しかし、この銭は22.5ミリしかありません。
16世紀の後半に、日本のおそらく九州地方で発行され、古銭家から「天下手祥符」と通称されている祥符通宝の一群があります。 22.5ミリ前後の小ぶりな銭です。
この銭に大きさ、風貌が良く似ています。 海の潮の中で縮んだのかも知れませんが、天下手祥符と考えたいところです。

天下手祥符通宝

  2013.1.3