AES GRAVE

   
ローマ共和国のセミス(1/2アス)銅貨
225BC〜217BC
表:サターン神、裏:ガレー船の舳先
127g 51.5mm 厚さ12.8mm

ローマ共和国は、カルタゴと争っていた紀元前280年ころ、独自の貨幣制度を整えました。
銀貨も少しは発行しましたが、基本的には銅貨を中心とする銅本位制でした。 当然、高額の貨幣は重くなりました。
この時代は「AES GRAVE(アエス・グラヴェ)」と呼ばれています。 ”重い青銅”という意味です。
1アス=324gを基準にし、3、2、1、1/2、1/3、1/4、1/6、1/12、および1/24アスの各種銅貨を発行しました。 (同時代の中国も銅本位制でしたが、中国では、多くの場合、同一時点では一種類の銅貨だけが発行されました。)

上の銅貨はセミス(1/2アス)銅貨です。 表面の下部と裏面の上部にSEMISを意味する「S」の文字があります。
10円玉28枚分もの重さがあります。 どんな財布に入れていたのか、想像するだけで楽しくなります。

その後、カルタゴとの第2ポエニ戦争中にアスの重さは大きく軽減され、紀元前211年にデナリウス銀貨を基本とする貨幣制度に改定され、「AES GRAVE」の時代は終了しました。

  2012.4.30