金のバブル

 
天皇陛下御即位記念10万円金貨
平成3年4月10日発行
33mm 30g 金品位1000

上の10万円金貨は純金30g。 この金貨が発行された当時は金1gはおよそ1800円。 したがって金貨1枚分の金は5.4万円しかありませんでした。
コインとしての人気もなく、コインの相場も10万円を超えることはありませんでした。 いざとなれば、銀行で額面の10万円に交換してもらえる、そんな金貨でした。

ところが昨今、金の異常な高騰です。 5年程前から単調に高騰しています。 ”Gold Bubble” と名付けて警告している人たちもいます。
8月23日(2011年)には、小売価格で金1g=4982円(買取相場は4878円)にまでなりました(いずれも田中貴金属工業)。 上の金貨の金は14.9万円にもなります。 地金価値が額面を超えたのです。
日本の法律では、現在有効な貨幣を傷つけたり溶解することはできません。 そのため、この金貨がそのまま金地金の値段で取引されることははばかられます。 しかし、コインとしての相場は、当然高騰しています。 コイン店の買取相場も12万円を超えています。


上昇傾向はいつまで続くのでしょうか。 しかも円高がもとに戻れば、なお高くなる可能性があります。

もっとも現在が史上最高ではありません。 1980年(昭和55年)1月21日に金1g=6495円をつけたことがあります。 このときは、ソ連がアフガニスタンに攻め込むなど、世界の政治が不安な状況でした。


戦後発行された金貨は次のとおりです。 金品位はすべて1000(純金)です。 現時点で金の地金価値が販売価格より低いのは、最初の御在位60年記念金貨だけです。

記念金貨名額面発行年重さ発行枚数造幣局販売価格備考
天皇陛下御在位60年10万円昭和6120g1000万枚額面他に少数のセットあり
昭和6220g100万枚額面他に少数のセットあり
昭和6220gプルーフ12.4万枚126,500円
天皇陛下御即位10万円平成230g210万枚額面発行枚数は2点セットを含む
平成330gプルーフ20万枚113,300円
皇太子御成婚5万円平成518g200万枚額面
平成518gプルーフ10万枚70,000円(3点セット)3点プルーフセットのみ
長野オリンピック1万円1次 平成915.6gプルーフ5.5万枚38,000円発行枚数は3点プルーフセットも含む
2次 平成9 ↑5.5万枚38,000円 ↑
3次 平成10 ↑5.5万枚38,737円 ↑
天皇陛下御在位10年1万円平成1120gプルーフ20万枚41,000円発行枚数は2点プルーフセットを含む
2002FIFAワールドカップ1万円平成1415.6gプルーフ10万枚40,000円発行枚数は2点プルーフセットを含む
2005年日本国際博覧会1万円平成1615.6gプルーフ7万枚40,000円発行枚数は2点プルーフセットを含む
天皇陛下御在位20年1万円平成2120gプルーフ10万枚80,000円発行枚数は2点プルーフセットを含む

  【参考】 「田中貴金属工業」のホームページ

  2011.8.19 この後グラフなど、都度更新