ザルツブルク大司教

ザルツブルク大司教の3クロイツァ銀貨
 1681年 21mm 1.6g

中世、ヨーロッパでは、国王だけでなく、貴族、都市、教会などが貨幣を発行することがありました。
オーストリーにあったザルツブルク大司教もその一つです。

紀元前15年、ローマ帝国がここに都市を築き、塩の集積地として栄えました。 そして、「ザルツブルク(塩の砦)」と名付けました。
その後、696年、カトリック布教のため司教区が置かれ、798年には大司教に昇格しました。
現在のオーストリーのザルツブルク州のほぼ全域を領地とする、巨大な大司教領でした。
神聖ローマ皇帝とローマ教皇の争い、宗教改革、農民戦争などの歴史の中で、重要な役割を果たしていました。
一時は、ローマ教皇の半分の権力を持つことを意味する「半教皇」のニックネームで呼ばれたことさえあります。
モーツアルトが生誕したのはこのザルツブルクです。

上のコインは、1668年〜87年に大司教だった、マックス・ガンドルフ・キューエンブルク伯(Max Gandolph Graf Küenburg)が発行したものです。 この大司教は、プロテスタントの大弾圧を行い、多数のプロテスタント教徒を迫害したそうです。

大司教領は、1803年、フランス革命の余波で消滅しました。

  2011.5.2