品位を記した銀貨

メキシコ 8レアル銀貨
1844年
26.8g 39.7mm 銀品位 902.77
表面の銘文:REPUBLICA MEXICANA
裏面の銘文:*8R・Go・1844・P・M・10Ds・20Gs

  金の品位を表すのに「カラット(Carat,Karat,Caratta)」という単位が使われることがあります。これは純金を24カラットとするもので、例えば18カラット(K18)とは、金品位18/24=75%を意味します。
  ところで、銀の品位を表す方法として、中世から近世にかけて「デナリウス(Denarius)」と「グレイン(Grain,Granum)」という単位が使われたことがあります。これは純銀を12デナリウスとし、1デナリウスを24グレインに細分するものです。
  掲載のコインは、幕末に日本の経済を混乱させた「メキシコ・ドルラル」です。 裏面には「10Ds・20Gs」と書かれていますが、これは銀品位10デナリウス20グレインを意味しています。(スペイン語表記では、Dinero(s)、Grano(s)です)
      (10+20/24)/12=0.9027777・・・
ですから、この銀貨の品位は90.27777・・・%ということになります。
  ちなみに、他の銘文の意味は次のとおりです:
      8R   8Reales(額面)
      Go   Guanajuato(製造地名)
      P・M  Patrick Murphy(製造責任者名)

参考:中世・近世の金、銀の品位の表し方にはこの他にも次のような方法がありました。
  純金───24─【Karat】 ──12───【Grain】
  純銀─┬─12─【Denarius】─24─┬─【Grain】
     └─16─【Lot】 ───18─┘

2008.12.24