クレオパトラ

クレオパトラの80ドラクマ青銅貨
径26.9mm 厚さ6.2mm 22.8g

エジプトのプトレマイオス王朝は、前305年ころアレクサンドロス大王の部下が建国した国です。そして、その最後の王が有名なクレオパトラ7世(前69年〜前30年;在位前51年〜)です。
当時から才色兼備として有名で、ローマのカエサルやアントニウスと結婚しましたが、アントニウスがオクタビアヌス(後のアウグスツス)に敗れると、悲劇的な生涯を終えました。

このコインの表は彼女の像です。この時代のコインの慣例として、かなり正確な姿を写していると思われます。
裏面の中央はプトレマイオス王朝のシンボルの鷲です。上部の文字は見にくいですが、左上には「ΚΛΕΟΠΑΤΡΑΣ(クレオパトラ)」、右上には「ΒΑΣΙΛΙΣΣΗΕ(女王?)」と書かれています(かろうじて下線の部分だけが読める)。
また鷲の背中に80を意味する「Π」の文字がきざまれており、この貨幣が80青銅ドラクマ、つまり6分の1銀ドラクマ(1オボル)であることを意味しています。労働者の1日の賃金が1銀ドラクマの時代ですから、このコインは2時間くらいの労賃に相当します。

2008.9.29