写真を貼り付けた紙幣

大坂為替会社発行 金1両
通用:明治2年9月〜明治6年9月
150×57mm

明治2年、新政府は通商司のもとに「通商会社」と「為替会社」の二種類の民間会社を育成しました。
通商会社が内外の商業を行い、為替会社がその資金を提供するのです。
為替会社は、東京、大坂、京都(京通商司為替会社と西京為替会社)、横浜、新潟、敦賀、神戸の8社設立されました。
これらの為替会社は、資金を得るために独自の「紙幣」を発行しました。「紙幣」とはいっても、現在の「社債」に近いものです。
大坂為替会社で発行された金1両札には、写真が貼られています。被写体は大坂通商司の庁舎です。
写真は当時のハイテクです。太政官札には多くの贋造札が出て新政府も手を焼きましたが、この札の贋造の話はありません。
為替会社は、江戸時代の両替商と近代の銀行をつなぐ役目を果たしていましたが、明治5年の国立銀行条例により、その役目を終えました。

2008.7.25