平成の「不発行貨」
日本ブラジル交流年及び日本人ブラジル移住100周年記念貨幣
(日伯記念貨幣)
2008年6月18日発行
表:笠戸丸とブラジルの地図、裏:桜とコーヒーの実
ニッケル黄銅貨、重量7g、直径26.5mm
不発行となった記念貨幣の表面
(財務省のホームページより)
上のコインは、「日本ブラジル交流年及び日本人ブラジル移住100周年記念貨幣」という、長い名前のコインです。
当初、このコインは2008年3月に発行されるはずで、そのときの表面のデザインは、サンパウロ州サントス市に設置されている「日本移民ブラジル上陸記念碑」でした。(⇒右図)
ところが、この記念碑の著作権上の問題が発生し、急遽デザインが変更され、発行時期も6月に延期されました。 すでに480万枚のコインが製造済みでしたが、それらはすべて溶解され、上のデザインのものに作りかえられました。
いったん発行する予定で製造されたコインが、なんらかの理由で発行されなかったとき、そのコインは「不発行貨」と呼ばれます。 最も新しいものでは、昭和25〜26年の「10円洋銀貨」があります。 発行直前になって朝鮮動乱のため素材のニッケルが高騰し、青銅貨(現在使われているもの)に変更されたためです。 この「10円洋銀貨」は一部が市中に流出し、現在20万円以上で取引されています。 もし、右のコインが流出したとすると、・・・・
2008.6.18(このコインの発行日)