「虫食い川柳」

寛永通宝 耳白銭 25.4mm 3.3g
寛永通宝 波銭 28.0mm 5.1g

  朝日新聞の毎週土曜日の「be on Saturday」には、『虫食い川柳』と題されたコラムがあります。 川柳の1字または2字が虫食いになっていて、その文字を当てさせるものです。
  5月5日(2007年)の問題に
    耳■を波間へ入れるふていやつ (古川柳)
というのがありました。ヒントはありません。
  1週間後の5月12日、その解答があり、
    【前回の正解】耳白を波間へ入れるふていやつ
    【解説】耳白銭(みみじろぜに)を波銭(なみせん)に交ぜてお金をごまかす。五世川柳・水谷金蔵の作
とありました。
  おせっかいながら、この川柳についてのさらなる解説・・・・・

  まず、「耳白銭」とは、正徳4年(1714)に幕府が発行した1文銭。荻原重秀が貨幣の品質を落としたのに対して、新井白石が幕府の威信をかけて元に戻したもので、寛永通宝1文銭の中では最大級のものです。ご覧の通り、縁(=耳)が広いので、「耳が広い銭」、”ひろい”を江戸っ子は”しろい”と発音し、「耳がしろい銭」、そして「耳白銭」となった次第。
  一方「波銭」は、田沼意次が景気拡大策の一環として、明和4年(1767)より発行した4文銭で、裏面に波の絵があることから「波銭」と通称されていた。
  4文銭を束にしている中に、この1文銭をまぜていた、というのがこの川柳の意味。

2007.5.12