国が発行した商品券


  平成11年のことです。
  政府は、「地域振興券」というものを発行することにしました。

  政府の説明によると、
   『若い親の層の子育てを支援し、あるいは老齢福祉年金等の受給者や所得が低い高齢者層の経済的負担を軽減し、
    もって個人消費の喚起・地域経済の活性化を図り、地域振興に資する。』
が目的でした。

  15歳以下の子どもを持つ世帯主や、老齢福祉年金の受給者などが対象で、一人あたり1000円券×20枚ずつ配布されました。
  振興券のデザインは、市町村ごとに決められ、通用する範囲もその市町村に限られました。
  総額で6000億円以上が発行されました。

  計算高い中学生は、その親にいいました。
  「僕がいるからこの券がもらえたんだ。この券は僕のものだ。半分の1万円でいいから、僕にくれ。」

  政府もくろみどおりの効果があったかどうかは疑問です。 しかし、計算高い中学生が潤ったのは確かでした。

2006.10.11