AES GRAVE

Sextans(1/6アス)銅貨 265BC〜242BC
表:亀  裏:車軸  6本の車軸が1/6を意味している。
41.1g 32〜33mm 厚さ11.6mm




紀元前270年、ローマ共和国は、南イタリアで経済的に発展していたギリシャ植民都市を征服し、ルビコン川以南のイタリア半島のすべてを支配下に置きました。
このころまで、ローマは、ギリシャ諸都市の貨幣を使っていましたが、このときになって独自の貨幣を発行し始めました。
このころの地中海世界は、ギリシャ、ペルシャ、フェニキア人たちの金貨・銀貨・銅貨が使われていましたが、ローマが採用したのは銅貨を中心とする「銅本位制度」です。
1アス=324gを基準とし、1アスから12分の1アスまでの銅貨を発行しました。
同時期の中国でも銅本位制度でしたが、中国では基準となる1種類の貨幣だけを多く発行し、取引ではその枚数で行うことが多かったのに対して、ローマでは何種類もの銅貨を発行しています。
銀貨も少しは発行しましたが、基本的には銅貨を中心とする銅本位制でした。 当然、高額の貨幣は重くなりました。
この時代は「AES GRAVE(アエス・グラヴェ)」と呼ばれています。 ”重い青銅”という意味です。

Semis(1/2アス)銅貨  225BC〜217BC
表:サターン神  裏:ガレー船の舳先  表面下部と裏面上部の「S」が、Semisを意味している。
127g 51.5mm 厚さ12.8mm

上の銅貨はセミス(1/2アス)銅貨です。 表面の下部と裏面の上部にSEMISを意味する「S」の文字があります。
10円玉28枚分もの重さがあります。 どんな財布に入れていたのか、想像するだけで楽しくなります。

Uncia(1/12)銅貨  217Bc〜215BC
表:ヘルメットを着たローマ神
裏:ガレー船の舳先、上部にROMA
表と裏にある一つの●が1Unciaを意味している。
12.0g 25.3mm 厚さ3.4mm




その後、カルタゴとの第2ポエニ戦争中にアスの重さは大きく軽減され、紀元前211年にデナリウス銀貨を基本とする貨幣制度に改定され、「AES GRAVE」の時代は終了しました。

  2012.6.12